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2001年4月より、慶應義塾大学大学院(SFC:湘南藤沢キャンパス)へ通学中です。そこで感じた“生”のキャンパスライフをお届けします。

■其の後の四足の草鞋(わらじ)

vol.3 卒業を半年延ばすことにあいなった

 SFC(慶應義塾大学大学院 湘南藤沢キャンパス)に通うようになって2年が過ぎようとしている。修士課程はもちろん、2年制。このページに登場願った同級生達は1月末に無事修士論文を提出し全員合格、この春には卒業する予定だ。
めでたし、めでたし。
今は学生最後の卒業旅行ということで、メールも中国やらハリウッドやらミラノやら、世界各国いろんなところから舞い込んでくる。海外にいてもレスが早いのはさすがにSFC生だと感じますね。
 さて、当の私であるがいろいろ悩んだ末、卒業を半年延ばすことにあいなった。SFCは半年ごとに卒業が可能で、私は春学期の卒業をめざして奮闘中なのです。


「不完全燃焼の修士論文を書きたくない」

 半年くらい前には同級生たちと卒業をしようと修士論文を進めていたが、
「果たしてこのまま卒業をしてよいものか?」
と悩み始めたのです。というのも、出産前後のおよそ半年はインターネットでの授業はうけたものの(soi)、一度もキャンパスに足を運ぶ事もなく、研究らしい研究をしていなかった。落ちこぼれた私は当然のことながら、もっと学びたいことがあると思い、と同時に不完全燃焼の修士論文を書きたくない、というのも本音だった。ここで、帳尻だけあわせるように卒業をしてもしょうがないのでは?と思い出したのである。

 幸い就職活動があるわけでもない。卒業証書に拘りもない。
というわけでもう半年延ばすことにした。同級生の皆にはお気楽大学院生で誠に申し訳ない。
「でもね、永井さんも新卒だから就職活動できますよ」
といってくれた井出泰斗くん。日本の就職募集要項にはほとんど年齢制限があるのだ。

 冗談はさておき。その時励みになったのは、現在いろいろ修士論文のことで相談にのってもらっている日本テレビ時代のかつての先輩の言葉でした。日本テレビに在籍しながら東京大学で修士、そして博士課程に進んだ彼は、 「東大は修士3年は当たり前。2年で書けるほど修士論文は甘くない。永井もせっかく社会人になってから大学院に進んだんだから、納得のいくものを書いた方がいい」
と励ましてくれた。その先輩の期待通りの立派な修士論文を書けるかどうかは別として、自分の中での納得感というのを最優先にさせた結果なのです。
 今までの人生、締め切り続きで、番組でも自分で消化不良のまま本番を迎えて辛い思いも数多くしてきた。そこで、初めて人生で寄り道をしようと決心したわけです。

 決心したのはいいけれど、締め切りを延ばしたおかげで余裕を持って書ける筈が、何故か現状は、24時間修士論文のことが頭を離れない“苦しさ”が半年長引いたという結果を招いている。とことん落ちこぼれ体質が身についているなぁ。

現在の私の平均的なスケジュールは、
8時 起床。メールのチェック、お弁当作り、朝食作り
11時 子供と公園へ(一応修士論文関係の本を持っていくが、たいてい怪獣=我が子に邪魔をされて読めず終い)、昼食
14時 子供がお昼寝の隙をみて掃除、洗濯ほか家事一般をこなす
17時 子供とお風呂
19時 夕食
23時頃 子供が寝静まったのを見計らって、やっと勉強を始められる
これから3時くらいまでの4時間が私の時間、それでも時間が足りなくてアップアップ

「勉強が心底好きな人以外、心から私は大学院をお薦めしません」永井美奈子談(笑)。
 このイサイズスタディでも以前からこう言って来たにもかかわらず、世間の流れは「社会人大学・大学院ブーム」ですねえ。このイサイズスタディでもその反響の大きさから感じてはいましたが、私の通っているSFCは社会人大学院ではない(※編集部注/社会人入試を実施しているわけではない)ために、あまりそのブームを肌で感じることは少なかった。ところがひょんなことからそれを実感したのです。

 というのも、先日久しぶりに修士論文の合間をぬって雑誌の取材を受けました。
「復学から始める自分磨き」というテーマで、このテーマだけで自分が出てよいものか面映かったのですが、夢物語ではなく現状を話してもらって構いません、ということだったので、劣等生の気持ちを取材してもらった。


「いま大学に戻る主婦が増えている」

 40代を対象に創刊したというその雑誌でこのような特集をした背景には、いま大学に戻る主婦が増えているかららしい。取材内容はおもに大学院の姿を中心に掲載されたが、この反響が大きかった。女性誌や情報誌、ワイドショーまで発売直後から問い合わせが殺到した。やっぱり大学はブームらしい。その流行のすごさに少々私は戸惑いと不安を感じてそれ以降の取材はお断りしているが、このブーム、大学はどのように対応しているのだろうか?
次回ではもっとためになる日本の大学の託児所、育児施設事情をお話します。

“campus lifeはリクルート「ケイコとマナブ.net」での連載です。”