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2002.3.1. 四足の草鞋、なんて言ってみたものの、子育てはそんなに甘いものではなく、この4ヶ月で出産の前と比べて12キロもやせてしまった。
人間、いくら妊娠していたとはいえ、4ヶ月で12キロやせるとなると相当、しんどい。エステも真っ青の激やせである。
妻、大学院、アナウンサー、そして母。
振り返るとどれも中途半端だった気がしてちょっと落ち込む。
右のものを左に動かすことさえしない主人が、見かねて3回も!?夕飯を作ってくれた。
大学院も休学せず頑張ったがインターネットの授業とリポートで2科目取っただけ。
仕事はほとんど休業状態。HPも随分お休みしてごめんなさい。
一方母業は、というと是は24時間休み無し。
子供を24時間見つめつづけ、ミルクを挙げて抱っこして、オムツを替えてまた抱っこ。
少しまどろみ、また抱っこ。それでも彼は泣いている。
あんまり泣くので、どこか悪いのかな?と心配になったり、落ち込んだり。
でも、「今彼が頼れるのは私しかいないんだ、」と思うとたまらなく愛しい。
毎朝起きると、ギュッと抱きしめる。
「大好きだよ、I love you」
すると満面の笑顔で答えてくれる。
ありがとう。あなたの存在が私の今の幸せです。
心から感謝をする。
それでも毎日子供と向き合っていると不安になる。
初めて子供を置いて外出したときなど、右手と右足が一緒に出るほど緊張した。
出産から1ヵ月半、家に閉じこもりっきりだった私は、相当おかしな歩き方をしていたと思う。
「私、今普通に歩けているかしら???」
出産を経験した人なら、この感覚は分かるのではないかしら?
今までなんともなかった、“社会”と言う存在から遠ざかっていた事が良く分かる。
この不安は日に日に強くなり、友人の話を聞いては不安になり、テレビを見ては不安になる。3ヶ月も過ぎると
「復帰はいつ?」「大学はいつから行くの?」などと聞かれる。
「私はどうするのだろう?」子供の顔を見ながら考える。
インターネットでやり取りされる同級生の修士論文や授業の会話。
やりたかった仕事の依頼。復帰の仕事の話。
つのってくる焦燥感と不安。
「大学院にちゃんと通えるだろうか?勉強に身が入るかしら?」
「仕事を今辞めたら、もう復帰の機会はないのでは?」
そんな思いが巡ってくる。
そんな時主人が言った。
“選択と集中”
彼は経営者としてのこの考えがそのまま君に当てはまるかは分からないけれど、四足すべてを完璧に履きこなそうと思うより、プライオリティーをつけたほうがより、自分や相手のためではないかとアドヴァイスしてくれた。
主人は人から指図されるのが何よりも嫌いな人なので、それ以上、何を優先させるかまでは言わなかった。
自分で決めた、その答えは命より重い物はない、だった。

先ずこの子をきちんと育てよう。
きちんとなんか育てられないかもしれない、でもちゃんと見ていたい。
初めてしゃべる瞬間、初めて歩く姿、なんでもないしぐさも全て。
そして、自然の美しさや、人の温かさを教えてあげたい。

そして大学院、自分ではじめたことだもの、是は諦められない。
就職活動が今更あるわけでもないから、証書ほしさではない。
いつまでかかるか分からないけれど、是はしっかり全うしたい。

そして、仕事。しばらくは単発のみ。
一つの仕事を丁寧に、集中してできるように。
執筆活動やクラシックコンサートの司会は今も続けている。
そのかわり
テレビはしばらくお休み。
私は仕事が好き。だから、つい、あれもこれもやりたくなってしまう。
でも今は来るべき40代にむけて力を蓄えよう。
そのとき仕事がなかったら、それまでの人と潔く諦めよう

あっ!妻を忘れていた。
でも是が一番大切なこと。
母である時間が長い分、心をこめて妻でいたいと思う。

minako nagai